「商標の区分がよくわからん。
うちのサービスはどの区分に属するのか…
簡単に調べることはできないのだろうか。」
こうした疑問に答えます。
商標の区分は、商標出願の書類で必要です。
しかし、区分はなんと45種類もあり、あなたの商品名・サービス名がどれに属するかを見つけることは大変です。
そこで、本内容では区分を簡単に解説するとともに、調べ方のコツをわかりやすく解説します。
1.商標区分と指定商品・指定役務を簡単に解説
区分 | 商品/役務 | 区分の名称 |
---|---|---|
第1類 | 商品 | 工業用、科学用又は農業用の化学品 |
第2類 | 商品 | 塗料、着色料及び腐食の防止用の調製品 |
第3類 | 商品 | 洗浄剤及び化粧品 |
第4類 | 商品 | 工業用油、工業用油脂、燃料及び光剤 |
第5類 | 商品 | 薬剤 |
第6類 | 商品 | 卑金属及びその製品 |
第7類 | 商品 | 加工機械、原動機等の機械 |
第8類 | 商品 | 手動工具 |
第9類 | 商品 | 科学用等の機械器具 |
第10類 | 商品 | 医療用機械器具及び医療用品 |
第11類 | 商品 | 照明用等の装置 |
第12類 | 商品 | 乗物その他移動用の装置 |
第13類 | 商品 | 火器及び火工品 |
第14類 | 商品 | 貴金属、宝飾品及び時計等 |
第15類 | 商品 | 楽器 |
第16類 | 商品 | 紙、紙製品及び事務用品 |
第17類 | 商品 | 電気絶縁用等のプラスチック |
第18類 | 商品 | 革、旅行用品等 |
第19類 | 商品 | 金属製でない建築材料 |
第20類 | 商品 | 家具、プラスチック製品等 |
第21類 | 商品 | 家庭用又は台所用の手動式の器具等 |
第22類 | 商品 | ロープ製品、帆布製品等 |
第23類 | 商品 | 織物用の糸 |
第24類 | 商品 | 織物及び家庭用の織物製カバー |
第25類 | 商品 | 被服及び履物 |
第26類 | 商品 | 裁縫用品 |
第27類 | 商品 | 床敷物及び織物製でない壁掛け |
第28類 | 商品 | がん具、遊戯用具及び運動用具 |
第29類 | 商品 | 動物性の食品、加工した野菜等 |
第30類 | 商品 | 加工した植物性の食品、調味料等 |
第31類 | 商品 | 加工していない陸産物、生きている動植物及び飼料 |
第32類 | 商品 | アルコールを含有しない飲料及びビール |
第33類 | 商品 | ビールを除くアルコール飲料 |
第34類 | 商品 | たばこ、喫煙用具及びマッチ |
第35類 | 役務 | 広告等 |
第36類 | 役務 | 金融、保険及び不動産の取引 |
第37類 | 役務 | 建設、設置工事及び修理 |
第38類 | 役務 | 電気通信 |
第39類 | 役務 | 輸送、こん包及び保管並びに旅行の手配 |
第40類 | 役務 | 物品の加工その他の処理 |
第41類 | 役務 | 教育、訓練、娯楽、スポーツ及び文化活動 |
第42類 | 役務 | 科学技術又は産業に関する調査研究等 |
第43類 | 役務 | 飲食物の提供及び宿泊施設の提供 |
第44類 | 役務 | 医療、動物の治療、人又は動物に関する衛生等 |
第45類 | 役務 | 冠婚葬祭に係る役務、警備、法律事務等 |
商標登録出願をする場合、「区分」と「指定商品」「指定役務」を特定する必要があります(商標法第5条第1項第3号)。
「区分」とは、指定商品・指定役務がどの類に属するかを表すもので、願書には【第1類】というように記載します。
「指定商品」とは、商標登録出願の願書に記載する商品であって、あなたが商標に使用する商品をいいます。
(事例)
ネットショップでコーヒー豆を販売する
➤商品名「コーヒー豆」に該当します。
➤「コーヒー豆」は「植物性食品」に該当
➤区分は第30類
「指定役務」とは、商標登録出願の願書に記載する役務であって、あなたが商標に使用する役務をいいます。
役務とは、サービスと解釈して問題ありません。
(事例)
お店でコーヒーを提供する喫茶店を始める
➤サービス名「コーヒーの提供」に該当
➤コーヒーの提供は「飲食業」に相当
➤区分は第43類
ちなみに商品に商標を使用する場合、™を商標に使い、サービスに商標を使用する場合、℠を商標に使います。
「指定商品」「指定役務」は上の区分の名称を書くのではなく、具体的にあなたが使用する商品名・役務名を特定します。
商品名・役務名は、「類似商品・役務審査基準(国際分類第9版対応)https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/guideline/trademark/ruiji_kijun/ruiji_kijun9.html」に沿って書きましょう。
理由は、早期審査の適用対象となりえるからです。
(参考:「商標の早期審査の要件と書き方と誤解しやすいポイントまで徹底解説」)
そこで、あなたが実際に使用する商品・役務に該当する区分を選択することをおすすめします。
2.商標区分の調べ方のコツ
方法は以下の通り。
特許庁からエクセルデータをダウンロードしてCtrl+Fで検索
商品・サービス国際分類表〔第11-2020版〕アルファベット順一覧表 日本語訳 類似群コード付きを開きます。
下をめくっていくと「商品(エクセル)」「役務(エクセル)」エクセルデータがありますのでこれをダウンロードします。
ダウンロードしたエクセルデータを開きます。
あとは「Ctrl+F」の検索機能を使って、あなたの商品名・サービス名を入力すれば区分がわかります。
3.区分で注意すべきことは!?
ここで、第1~第45類まで区分がありますが、どれを選べばわからない場合、全部登録すればいいのかなと思うかもしれません。
しかし、指定する区分が増えるごとに、出願手数料・登録納付料が増えてしまいます。
出願手数料➤¥3,400+(区分数×8,600)
登録納付料➤¥16,400×区分数×2回 または ¥28,200×区分数×1回
なお、弁理士に頼ると区分が増加することで手数料も増えます。
4.商標の区分のまとめ
以上のとおり、商標登録出願に必要な情報は、「商標」「区分」「指定商品(役務)」であり、願書にこれらの情報を入力します。