「商標調査をしたいけど、費用をかけたくない。
無料でやりたいのだけどできるのかなあ…」
こうした疑問に答えます。
商標調査は有料・無料のサービスがありますが、個人事業主の方にとっては、なるべき費用をおさえておきたいものです。
しかし、商標調査をないがしろにして商標登録出願をすると、すでに似たような商標が登録されていた場合、出願費用が無駄になってしまいます。
そこで本内容では、費用0で商標調査をやる方法を3つ紹介します。
1.商標調査が必要な理由
あなたが商標登録を考えているなら、まずはすでに似たような商標が登録されていないかどうか調査をすることをおすすめします。
理由は以下のとおり。
①審査結果で拒絶されることを回避できる➤無駄な手数料の支払いの回避
②商標調査によって「文字」「ロゴ」のいずれで登録すべきかわかる➤商標登録の最適解が見つかる
③似ているような商標の存在を知ることで、今使っている商標を変更できる➤リスク回避
順番に解説します。
①無駄な手数料の支払いを回避できる
商標登録出願では、特許庁の審査を経て登録されます。(参考:「商標の登録流れがすぐわかる!プロがわかりやすいように解説」)
あなたが商標調査をおろそかにしていると、審査で拒絶(NG)をくらう可能性が高いです。
そうすると反論も難しいものとなり、支払った手数料数万円と時間・手間が無駄になってしまいます。
詳しい手数料は「商標登録の費用と相場はいくら?格安すぎる安いところはどこだ!?」の記事をご参考ください。
このため、あらかじめて商標調査をしておき、似た商標が登録されていないかどうかを調べることはとても重要です。
②商標登録の最適解が見つかる
基本的に筆者は、商標登録するなら、ロゴより文字でとることをおすすめしています(参考:「文字商標とロゴ商標はどっちをとるべきか!?【結論:文字です】」)
しかし、仮に似たような商標が登録されている場合、文字で取ることは難しい場合があります。
そうすると、あなたは文字ではなくロゴで商標登録をすべきということがわかります。
ロゴの場合、文字と異なり、類似範囲が狭くなるため商標登録をしやすいです。
このように、あなたが商標調査をすることにより、文字でとるべきかあるいはロゴでとるべきかが理解できます。
あなたがロゴで取る場合、「ロゴの商標登録で失敗しやすい注意点を商標のプロがわかりやすく解説」の記事もあわせて参考にしてみてください。
③リスク回避
仮に似たようなものがものが商標登録をされている場合、あなたの商標を変更したほうがよいことがわかります。
あなたがまだその商標にブランドが形成されていなければ変更した方がよいです。
ある程度形成された後にして似たような商標が見つかったら手の施しようがありません。
ブランドが形成される前にやりましょう。
2.商標調査を費用0でやる方法
商標調査を費用0でやる方法としてはいくつかありますが。特許庁のサイト「J-platpat」を使う方法を紹介します。
①文字商標の場合
事例をまじえて解説します。
出願人➤占い屋
商標名➤「占い小僧」
商標に使う商品・サービス「パワーストーン」「占いのサービス」
目的:「占い小僧」と似たような商標がすでに登録されているかどうか調べる
J-platpatを開きます。
「商標検索」を選択します。
「称呼(類似検索)」を選択します。
称呼(文字)が類似していると判断したものが検索結果で表示されます。
ただし、検索結果で表示されたものが、必ずしも特許庁審査官により、商標と類似するものと判断されるわけではありません。
次に、下の図のように商標の文字を入力します。
ここでは「ウラナイコゾウ」とカタカナで入力します。
すると、類似していると判断した先願商標が表示されます。
あなたは表示された商標を確認して類似しているかどうか確認します。
上の図では、明らかに「占い小僧」とは異なるものですので、「占い小僧」は先願商標との関係からは登録の可能性があるといえます。
一方、今度は、文字「コゾウ」だけで類似している者があるかどうか見てみます。
同様にして、「称呼(類似検索)」で「コゾウ」を検索してみます。
すると、395件も表示されました。
395件も1つ1つ確認していくのは大変です。
そこで、検索を絞っていきます。
検索を絞る上で役に立つのが「類似群コード」です。
商標は、商標が先願商標と同一・類似であっても、指定商品・指定役務が非類似であれば、商標登録ができます。
このため、商標だけでなく、指定商品・指定役務が類似のものを絞っていけば効率よく確認することができます。
そして、その指定商品・指定役務が類似のものとして参考になるのが「類似群コード」です。
ここでは、類似群コードの調べ方・使い方について説明していきます。
まずは、「占い」のサービスの類似群コードを調べます。
下の図のように、「商品・役務名検索」を選択します。
次に、「類似商品・役務審査基準」を選択します。
「類似商品・役務審査基準」を選択します。
一番上のものが最新版ですので、一番上のものを選びましょう。
すると、下の図のように第1類~第45類まで分かれた区分が表示されます。
今回、占いのサービスは第45類であることが分かっているので、「第45類」を選択します。
すると、下の図のように各サービスごとに対応する類似群コードが表示されます。
「占い」の場合には類似群コードは「42U02」であることが分かりました!
そこで、「称呼(類似検索)」に「コゾウ」、類似群コードに「42U02」を入力します。
すると、以下の図のように395件表示されたものが3つだけに絞られました!
以上のような感じで先願調査をして同一・類似の商標がないかを確認していきます。
②ロゴ商標の場合
図形のみの場合には以下のステップをとるやり方がおすすめです。
次に、「キーワード」を選択して図形を表すキーワードを入力します。
ここでは、「子供」と入力して検索します。
するといくつく候補が出ますので、ここでは飲食している子供を選択します。
すると下の図のようなものが表示されますのでセットしてクリックします。
そのまま検索をすると下の図のように検索結果が表示されますので類似していないか確認しましょう
以上のようなステップで類似したロゴがすでに商標登録されていないか確認しましょう。
3.商標調査のまとめ
商標調査で似たような商標が登録されていなければ、商標登録の出願書類の準備をすすめしょう。